私の通う大学では、大学院生は留学生が圧倒的に多いという特徴があります。今までに異なる研究科に通う友人達に聞いた限りだと、法学研究科の一部の専攻以外は、留学生が大多数です。留学生の出身国は非常に多様性に富んでいて、この1ヶ月の間に交流があった同級生の中だけでも、アゼルバイジャン、ヨルダン、ギリシャ、イタリア、メキシコ、アンゴラ、タンザニアなど、日本ではあまり見かけない国からの学生がいます。
全体として多様な国・地域の出身者がいる一方で、専攻によっては同じ出身国の学生が大多数を占めているケースも見受けられます。例えば経営大学院の一つの専攻では約200名の学生の内、7割強が中国出身です。また、工学研究科の一つの専攻では約20名の学生の内、8割がインド出身です。
経営大学院で中国学生が密集している状況は、学生達に少しネガティブに受け取られているように感じます。これは単に文社系の学生達の方が、出身国の多様性に期待して入学してきているというだけではなく、他の国からの学生の多くが就業経験を持つのに対して、中国出身学生は学部卒業後に直接大学院へ入学しているケースが多く、経営学のディスカッションの中で引き合いに出せる経験が少ないことも影響しているように思います。
一方、インド出身学生が多い工学研究科では、この分野においてインド出身学生の能力が高いため、優秀なクラスメートが多くいることが学生達に歓迎されているようです。
この事例から、アドミッションポリシーの重要さを感じました。
日本でも近年多く導入されているAO入試は「アドミッションポリシーに合致した学生」を入学させるものです。各コースで、どのような学生を受け入れて、どのような教育環境を創り出したいのかは異なります。これがきちんとアドミッションポリシーに、そして学生募集活動およびAO入試の選考過程に反映されることが、より良い教育環境を創り出すために必要不可欠だと改めて思いました。
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